setsubismをどう伝えるのか?
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1伝承
プロと言われるために
食品工場の空調工事の経験から、ある時、空調設備の特徴や留意点を尋ねられたことがあった。以来、自分が手掛けた仕事は自分の「看板」のように感じられ、現場だけでなく類似施設の技術や事業など、関係する知識を深めたいという欲求が強くなった。例えば、自分が客の立場なら、黙々と作業されるより、会話によってこの人なら安心できる、ということが実感できるはず。きちんとした仕事の成果をお渡しすることは当然。それ以上にこの人なら、という安心感をお届けできる、真のプロを目指したい。
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2未来
達成感を糧に
国内有数の大空港の空調工事で経験したスケール感。気積(容積)も機器やダクトの大きさも今まで経験したことのない規模に、自分の感覚が追い付かない。今までは、設備は機械、配管配線やダクトでつながった「モノ」としか感じられなかった。しかし、大空間を一定条件の空気が満たしていくそのメカニズム、機能は、まさに生き物。どんな小規模な設備でも、機能しての設備、まさに、「生かす」ことに注力しなければならない。設計通りに達成できた機能性。要求基準だけでなく、達成感も満たされる。
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3遺す
自分の足跡を意識して
ある先輩から、自分の担当した仕事には、自分と分かるやり方を貫いているという話を聞いた。確かにそのやり方のいくつかは今では当たり前の「暗黙知」となっている。確かに、「誰がやっても同じ」と思ってする仕事と、「私が手掛けたからには」と思ってする仕事は違いがあるはずだ。傍目にはわずかな違いにしか見えなくても、自分の中では、苦心と創意の努力が深く記憶に刻まれた仕事だと思う。自分が関わった証しを遺すということは、仕事に注いだ思いを、仕事を通して伝えていくことだと思う。